この度、2020年11月に逝去された加藤清美の追悼展を開催いたします。

加藤は戦後の日本銅版画家を代表する駒井哲郎に師事し、1960年代から「東京国際版画ビエンナーレ」「春陽会」などで版画作品を発表。ギャルリー東京ユマニテでは、1980年代から銅版画、オブジェの展覧会を開催してきました。

加藤の作品は、舞台装置のような虚構の場面から始まります。舞台にいる向こう側と、それを眺めるこちら側の世界。唐突に差し出された手や、伏目がちな女性の優しい表情、何も映し出されることのない鏡。それらは、私たちの日常から遠くかけ離れたものではなく、ふと振り返った時に見えてしまう幻覚のような世界なのかもしれません。その繊細で静謐な作品は多くのファンを魅了してきました。

今回は、生前から交流があったS氏のコレクションから油彩、版画作品30数点を展示販売いたします。是非ご高覧下さい。

>> 加藤清美 略歴

〈前回の展覧会〉

加藤清美　1959-1973　KATO Kiyomi
2017.2.13（月）‐3.4（土）